【Vol.13】宿をつくっていく過程は、その土地を知っていく過程とイコールであることを知った。

いよいよ、リノベーションが
できることになった頃、
わたしたちは短い旅に出た。

本当は1日でもはやく
リノベーションにとりかかった方が
良かったんだけど、
自分たちのこの土地に対する
無知さも感じ始めていた。

何を大切にすべきかを知らずに
大切にすることは出来ない。

「もっとこの土地を知った方がいい」

そう思った私たちは
焦る気持ちをおさえて、旅に出た。

見るものすべてに対して
お互いの価値観をぶつけあった。

土地の人に、
たくさんたくさん質問した。

移動中もずっと話し続けた。

カイトのアイディアで、
九州一の家具の産地である大川の
【材木所】にも行った。

わたし材木所って初めてで、
こんな素晴らしい場所があるんだと、
ちょっと嬉しくて泣きそうになった。

土地のものを使いたい理由は
地域に貢献したいから、だけじゃない。

環境汚染するCO2の多くが、
物資の移動によって発生している。

遠い土地から物資を輸入することは、
それだけで環境の悪化に繋がる。

目の前にこんなにも愛するものがあるのに
それを見ずに、わざわざ遠くから輸入して
環境を悪化させる。

そういう、
自分たちの活動でどこかの誰かが
不幸になることだけは絶対にしたくない。

私は、自分と周りだけを見て
活動する人にだけはなりたくなかった。

100年後にも誇れる場所にしたいと思った。

短い旅だったけど、
こうやって土地を知っていくこの過程こそが
宿づくりであるんだと学んだ。

そして、この時に知った
九州の木材も、長崎の波佐見焼も
どちらもZABaNにいれていて、
私たちの大切な一部になっている。

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